雨音





絶え間なく

微妙に強弱をつけながら

包むように

雨音が

世界を濡らす



僕も濡れる

君も濡れる

近所の野良猫も

そして空も

みんな

みんな濡れる



雨音は続く

僕は泣く

何かを思って

何かを想って

何かのために

自分のために

僕は泣く

雨音は続く



僕は知らなかったのだ

雨音と共に

何もかもが

びしょびしょに濡れることを

ずっとずっと

家の中にいた僕は

それを知らなかったのだ







2005/06/15