夜を見上げれば

そこには月があるはずで

見たいから

首を動かそうとするんだけど

動かない



見たくないの?



そんなはずはないよ

僕は月が

大好きなんだ

じゃぁなぜ

月を見ようとしないんだ



コンクリートと白線をなんとなく視界に入れながら

おそろしく遅く重い足取りで

家路を急ぐけれど

真暗な夜の空に浮かぶ

あの月が

ただ見たくて

でも

首が 動かない



そして今日もあきらめる






2005/06/15