きんもくせい





風が吹いてきて

私の髪が揺れるから

もうどうにでもなれ

と思いながら

風上に顔を向けるの



きんもくせい



香りがしたの

風上から

甘い香りがしたの



そしたら

ぱぁって

(闇に光が差すよりは、光に闇が差すように)

溢れてきたのは

あれは

何だったんだろう



哀しくなって

急に会いたくなって



それでも

風が吹いていたの

きんもくせい



飛ばされて

おれんじいろ


地面が埋まったの





2005/10/09