雨の気配





空気に混ざっていく

雨の気配

肌をなでる

その水のような

濡れた空気は

どうせなら

水の中にほおり投げてくれと

思うほどに

気持ちが悪い



だんだん

雨の匂いが

強くなってきて

空を見上げれば

今にも

泣きそうな雲がいる



やがておちてくるであろう

雲の涙は

きれいに見えるだけで汚いのに

私を洗ってはくれないのに

傘なんか

いらないと思う



まだ

ふってこない雨

まだ

泣かない私

気配だけが

強く

強く






2005/06/22